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戌と少女

第1章 病院




「あ,ノア兄~皆さん!
いつもの事ながら申し訳ありません」


ベッドから上半身だけ起き上がり頭を下げた。


「「良いの良いの具合は大丈夫?」」


琴さん,彗さんは声を揃えて訪ねた。


「はい,大丈夫です!」


爽が笑顔で答える,その様子を見ていたノアは


「はぁ~!良かったよお前にもしもの事がなくて!!」

「有るわけ無いわよ!お母様やお婆様が“爽が死にそうな時は必ず止めに来る”って言って下さってるもん!」


“あ!後,お爺様も”と付けたしノア兄が“爺様忘れんなよ!?”と突っ込み笑う。





“そうだった!”と爽は和服の男性に目を向けた。


「とんだ事に迷惑お掛け致しました」


紫呉に向かい爽は頭を下げた。


「え?…い,いや…」


自分に謝罪をする彼女に少し戸惑い,頭を掻きながら返事を返した。


「僕の方こそゴメンね?
心臓病持ちとは思わなくて…ビックリしたよね?…」


爽はキョトンとした顔で


「あ…あの~…」

「ん,何?」

「気持ち悪くないですか?」


爽の質問に紫呉は目を見開き“何で?”と言い首を傾げた。

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