第8章 episode6
「なんでさっちゃんに....」
「お前に関係ない。いちいち突っ込んでくんなよな」
コイツは姉ちゃんが好きだ。
姉ちゃんは自慢出来るほど美人。
馬鹿が付くほど愛想が良くて、そのせいで色んな男を惚れさせている。
昔から、知ってたよ。
血縁者の俺なんかが、適うわけがなかったんだ。
「りっく...」
「もう黙れよ!!!お前に何が分かるんだよ!!俺の何が....っ」
羨ましかったんだ。
あんなに楽しそうにして、笑って怒って。
姉ちゃんに、あんなに優しくされて。
「ほっといてくれよ...、何も聞きたくない」