第8章 episode6
「分かるわけないじゃん、何も教えてくれないのに。僕、超能力者じゃないんだから分かんないよ!!!りっくんの阿呆!!馬鹿!!間抜け!!!!」
瑠都は思いつく限りの文句を言い放って、屋敷に通じる通路へ行ってしまった。
"分かるわけないじゃん"
そうだよな。
何も言おうとしないのに分かるわけないよな。
「バカらしい。寝よ」
こういう時、親とかに打ち明けたら。
バカじゃない、って言うのかな。
友達に打ち明けたら。
正気かよ、って言うのかな。
姉ちゃん。
俺は、姉ちゃんが好きだよ。