第7章 episode5
「璃玖くん、なんだか泣いてたんだァ。公園のベンチで、その時から傷だらけだったよ。でも、傷だらけなのはたぶん、ほかに理由があるよ」
瑠都さんが教えてくれる。
「璃玖斗が私にあんな態度を取ったのは初めてなんです。だからちょっとビックリして泣いちゃったんです。すみませんでした...」
小さい頃、両親が亡くなって高校生だったお姉ちゃんが頑張ってくれて。
璃玖斗はまだ小学生。
そのとき、璃玖斗は言ってくれた。
姉ちゃんは僕が守ってあげるから。ぜったい居なくならないでね。と。
お姉ちゃんは県外へ、ふたりだけになったここで璃玖斗は寂しかったのかな。
それとも。
私なんか、本当に嫌いになったのかな。