第7章 episode5
「なに、するの....?璃玖斗...」
赤く腫れる頬に触れる。
じわっとした痛みが伝わる。
「...ごめんっ....」
中へ行ってしまった璃玖斗を追う事が出来ず、痛みと璃玖斗の逆鱗に触れたあの睨みに涙がじんわりと溢れてくる。
泣くほどのことじゃないけど、
璃玖斗があんなに怒った事はなかった。
>>>ガチャ
「ふぁあ、疲れた~」
瑠都さんが入って来た。
慌てて涙を拭う。
「お疲れさまで、す...」
「なんで泣いてるの、さっちゃん」
瑠都さんがいつの間にか目の前にいて、私の頬を優しく撫でた。