第7章 episode5
「なんだか何も出来そうになくて申し訳ないです」
「そんなことねぇよ。雛寧ちゃんの居場所を増やす事が出来るもの。楓希ちゃんにはたくさん助けてもらったよ?」
「そうですかね....」
「そうだよ。黙って割れ物片付けてくれた。迷惑がらないで居てくれた。それだけで十分じゃねぇのよ」
ね?と優しく微笑む諒夜さん。
その笑みに、私は温かいものを感じた。
「ありがとうございます。何かありましたら遠慮なく言ってくださいね」
何か出来るか。
そんなの分かんないけど、深く突っ込むことない。
黙って見守って、話してくれるまで待つんだから。