第7章 episode5
私も、昔は両親が居ないことでよくクラスの男子にからかわれてイジメられてたな。
そのとき、いつも助けてくれたのはお姉ちゃん。
ウチの妹イジメてタダじゃおかないからね!と言い捨て、ボッコボコにしていた記憶がある。
璃玖斗は一時期グレて、夜遊びや女の子とチャラチャラしていた。
お姉ちゃんにも反発して大喧嘩したこともあった。
そのあと大概は璃玖斗が素直に謝る。
すれ違い、なんてけっこうあったなあ。
お茶を注ぎながらそんなことを思い出していた。
「おまたせしました」
そんな私の過去よりも、雛寧ちゃんは深いものを背負っているんだ。
私なんかじゃ、助けられない深い傷...