第7章 episode5
午前中の営業を終えて、奥へ戻る。
落ち着いた様子の雛寧ちゃんが座っていた。
「諒夜さん、大丈夫ですか?雛寧ちゃん」
「うん。さっきより暴れたりしない。ごめんね、めちゃくちゃにしちゃってよ」
諒夜さんが雛寧ちゃんの代わりに謝る。
チャラそうなのに、意外と優しいんだ....
「それは別に構いません。お客さんも心配されてました。あまりお気になさらず」
「....」
雛寧ちゃんは相変わらず、私には口を開いてくれない。
というより、心さえも開いていないのかも。
過去に何かあったとはいえ、知らない私が気安く首を突っ込んでどうにか出来るわけもない。
「お茶、出しますね」
思ったよりも、重傷そうだ。