第29章 颯希の生い立ち、そして真実。
公園で2人を遊ばせてたある日、
知り合いの女性が歩いてきた。
『龍太郎くんじゃない!久しぶり〜!!』
9歳の女の子を連れた彼女は高校の同級生、真依。
今は結婚して七嶺に名字が変わっている。
9歳の女の子は"夏希です!おいちゃんこんにちは"と挨拶してくれた。
『まさか2人も子ども居たなんて。奥さんは?お仕事?』
『違うよ、拾った子と養子の子だ』
その答えを聞き、思わず彼女は謝る。
夏希ちゃんは"まーぜーて♪"と2人のところへと走って行った。
『龍太郎くん、2人も育てられるの??貴方、結婚とかしてないんだろうし仕事の収入だって不安定なんでしょう??』
『俺しか、育てられないんだ。』
身よりもない。
知らない人に譲るわけにもいかない。
俺しかあの2人は助けてあげられないんだ。