第28章 特殊能力11
「俺、少しだけ思ってた。夏希といる時はよく似てるねって言われんのに、姉ちゃんといる時は彼女?とか聞かれるし、変だなって」
へへ、と泣きそうなのを誤魔化す璃玖斗。
実の弟じゃねぇから。
その言葉がグサリと胸に突き刺さる。
「正直、分からない。蒼汰くん達に聞かなきゃ...」
「....そっ、か...」
もし。
私と璃玖斗が赤の他人なら。
私には家族が居ないのかもしれない。
独りぼっち、そうなるのかな。
そんなの、やだ。
「...璃玖斗ッ」
「姉ちゃん?!」
思わず抱きつく。
こうしていると、璃玖斗が居るのだと確認できてホッとする。