第27章 特殊能力10
「変だよ、燐斗...」
「....変?」
目は笑っていない。
なのに口角がクイッと上に上がる。
「変なのはオネーサンじゃない」
どこか諦めているような。
でも、やっぱり切なそうな。
「僕は、オネーサンを助けるためにここまで来たんだよ!!なのに、なのに...」
頬に涙が伝う。
その涙は決して同情なんかじゃない。
「やっぱりオネーサンも、僕のこと嫌いなんでしょう。悪魔なんか、気味悪いもんね」
「違う!!燐斗、待って!!!」
「なにが違うのさ!!!」
泣いてる燐斗の目は、怒っていた。
でもボロボロと涙が流れ落ちてくるのだ。