第26章 特殊能力9
「貴方を殺したくない。彼は私が止める」
彼女はそう言い、私たちを出入口へと連れて行ってくれた。
外に出ると、そこにはみんなが立っていて。
私を見るなり一斉に抱きついてきた。
「ご心配、おかけしました」
それだけ心配していてくれたんだ。
そんな事に嬉しく思えて、思わず涙がこぼれる。
「ぼ、僕も~っ!!」
瑠都くんも勢いよく抱きついてきた。
みんな、黙って泣いている。
「悪かった。俺らのせいで、こんなことに…」
「いいえ、みなさんは悪くないです。」
みんなのせいで、なんてそんなことはない。
だって逃げれなかった私も悪いし。
こういうことをしているこの人たちも悪いんだ。