第26章 特殊能力9
「あとは警察に任せよう。連絡も入れてるし」
漣音さんは携帯を器用に扱ってる。
でも、彼女がまだ中に残ってる。
きっと救い出してくれるのを待ってたはず。
なのに...
ここで置いていったらいけない気がする。
「私、侑莉ちゃん助けてくる!!」
中へ戻ろうとすると、やっぱり腕を掴まれた。
行かせたくないのはよく分かってるつもり。
「行かせないよ!!」
涙目でそう叫ぶ瑠都くん。
「行かなきゃ。瑠都くんも分かるでしょ??」
それでもグッと力を込めてくる。
さっきの殺気立ったとこを見たからなのかな。
「...ダメだよ、行ったらさっちゃんに会えなくなるかもしれない....」
そんなのやだよ。
瑠都くんの言葉に落ち込んでしまう。