第26章 特殊能力9
「....こんな形で...」
悔しそうにそう一言呟いて、瑠都くんを寝かせた。
ポタっと涙がこぼれ落ちる。
見ると彼女は唇を噛み締め泣いていた。
「...どこでっ....間違えたんだろっ...」
別に、捕まえたいわけじゃなかったんだ。
殺すかもしれない状況に、追い込みたかったわけじゃなかったんだ。
だから今の、この状況に。
彼女は悔しくて情けなくて切なくて。
泣いてるんだ。
「間違えてなんかない。貴女は間違えてなんかないよ」
励ますことなんか、できやしないのに。
もしかしたら逆効果なのかもしれない。
でも、彼女を少しでも救ってあげたい───