第26章 特殊能力9
「貴女に何が分かるの!!?今まで幸せに、平和に過ごしてこれたんでしょ!!!でも私はね、私は....っ」
言葉をつまらせる。
しゃっくりのせいで上手く喋れないのだ。
「....なんで私だけなの...」
きっと他にも居たはずなんだ。
もしかしたら逃げ出せたかもしれない。
彼女にとってのこれまでの人生は、どう写っていたのだろうか。
「平和なんかじゃ、幸せになんか過ごしてない。」
「えっ?...」
「私はね、両親が亡くなってるの。それが病死なのか事故死なのか殺人なのかは分からない」
不幸なんか数え切れないよ。
幸せなんか、たくさん訪れているわけじゃないんだ。