第25章 特殊能力8 Part2
「...この世は不平な世界だ。」
彼が空を見上げる。
空には雲が流れている。
「例えば、天才と馬鹿が居たり、見た目が少しおかしかったり人とは違うものを持っていたり」
不平。
それは確かに存在する。
彼が言うように、僕らだって不平なもの。
天才なんてものは生まれ持ったもので。
決して、欲したわけではない。
「君と僕は同じ?」
「...え?....」
彼が僕を真っ直ぐに見つめる。
目の、心の、その奥深くを....
「見せて、この孤独な僕に」
「うわぁあああっ─────」
まるで精神を壊されたように。
僕は倒れた。