第25章 特殊能力8 Part2
左耳に付けられたピアス。
首にかけられたネックレス。
地毛であろう赤い髪。
着なれたパーカー。
スウェットのズボン。
彼は何者なのだろうか。
「実は僕ね、会いたい人が居るんだあ」
そう突然、彼は言った。
その発言に返答を返す言葉が見つからない。
「その人とはしばらくぶりだからさ、きっと忘れられてるかもしれない」
「....だ、れなの?」
「しりたいの?ホントに?知ったら君は僕を敵にみなすかもよ」
それはやだなあ、だから言わない。
彼は笑いながらそう言って前を向いた。
それがもし、あの女だとすれば。
彼の言う通り、仲間だと思って敵とみなすかもしれない。