第24章 特殊能力8
無惨にも広がった人の死体。
この町には誰一人として残っちゃいない。
刀を片手に、歩く。
「...無様だ」
壁にもたれかかり、座る。
血の付いた服を見てため息を吐く。
「ねえねえお姉ちゃん。」
すると1人の男の子が話し掛けて来た。
赤色の髪に青の目。
不思議な子だ。
「何の用?この町の子どもか?」
「ううん、違う。僕はどこの町の子でもないよ」
そう教えてくれて、男の子は私の隣に座った。
怯えないのか、この子ども。
「お姉ちゃんは僕と同じだね。僕も、みんなに見捨てられた子どもなの」
へへへ、といかにも褒められた事のように言う。
「そんなの、嬉しくもなんともない。あんたは、まだ幼いだろう。泣かないのか」
そう聞くと男の子はあっけらかんと答えた。