第24章 特殊能力8
まず始めにお爺さんを刺殺した。
町の人間は震え上がり、そして涙を流した。
『侑莉っ』
血だらけの手を、ギュッと握り締めてきた。
その女は私の母親。
痩せ細っていて、そしていい服を身にまとっていた。
「今さらなんだ?謝りに来たか?それとも、命乞いか?笑えるな、お前は自分の娘に情けない姿を晒すのだ」
『ごめんなさい、すぐに助けに行けなくてっ...』
「もういい。ボスから町の人間"のみ"を好きな殺し方で処分しろと命令された」
ぐるりと見渡す。
中には観光客か、訪れた商人か。
そんな人も居た。
『お願いやめて...、』
「黙れ、」
お母さん、
貴方は情けないと思わないの。
ホントにあの時、助けに行けなかったの?
私はもう、信用なんかしないから。