第24章 特殊能力8
侑莉side
失うことに恐怖を覚えた。
ずっと前、故郷だと認識していた町に出向くことになった私はその町に足を踏み入れた。
知ってる顔もあれば、知らない顔も必ずあって。
そしてどれも私を見れば顔を強ばらせた。
『お前さんはっ!?』
震える手を、指先を、ゆっくり私に向けた。
お爺さんは言葉を詰まらせた。
「驚いたろう?貴方がたが、見捨てた小鳥遊侑莉だ。後悔しただろう、今から貴様らは私の手により殺される」
情けなかった。
締め付けられるような感覚に襲われた。
これこそ憎しみと罪悪感というものなんだと理解する。
「哀れだ。お前らは懺悔する、あのとき助けてやればって」