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平和な1日。

第24章 特殊能力8



「ずっとずっとだ。ボスにさらわれた私は、両親にも、警察にすらも、捜索されずに今までを生きた。」

潤んだ目。
その瞳からは悲しみが映っていた。

「ツラかった。苦しかった。でも逃げることは許されなかったんだ。ボスが捕まえてきた奴らを、無理やり殺させられたりもした。そうなったのはすべて信じていた人達のせいだ!!ずっとずっと、待っていたんだ....」

そして彼女は涙を拭い、俺を見た。

「お前らは卑怯だ。今まで私なんか捜そうともしなかったのに、自分らの大切なものがさらわれたらそうやって罵ってまで必死に捜すんだ!!!お前らなんかだいっきらいだ!!!!」

彼女はその場を走り去った。
追いかけることは出来なかった。

伸ばしかけた手を、ゆっくりおろした。


そうだ、俺らは卑怯だ。
あの子が今までどれだけの気持ちを胸に助けを待っていたろう。
逮捕だっていい。
なんだっていいから、どうして俺達は彼女をあそこから救い出してやれなかったんだ....
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