第24章 特殊能力8
しばらく歩くと、柱のようなものが所々立っていた。
その周辺には家らしきものはなく、何かの跡地のようなものだった。
「目印だったら良かったのによ。」
はぁ、とため息を吐き柱に触れる。
触り心地は良くサラサラしていた。
「リト・クリス」
「...おまえは!?」
呼ばれて振り向いてみれば、そこに立っていたのはあの女、小鳥遊侑莉。
無表情で俺を見ている。
「あの女を助けに来たの?無駄よ、貴方達は弱い。すぐに捕まえられるよ」
「俺は捕まんねぇさ、颯希ちゃん助けるって決めたからにはぜってぇ家に帰るよ。みんなでね」
侑莉は笑うでも、怒るでもなく俯いた。