第23章 特殊能力7
「見つけた」
とつぜん、入り口から聞こえた声。
そちらを向けば無表情の小柄な女の子が。
「もう逃がさない、大人しく連行されなさい」
「帰れ!!警察呼ぶよ!!!」
瑠都くんの、怖い顔から伺える彼女が危険人物だということ。
だけど、どういうわけか彼女は攻撃を仕掛けては来ない。
「無理。配線、すべて切ったから」
「毎回毎回、君も飽きないね」
毎回?
じゃあ、こういうことはよくあることなの?
だったらなんで警察は対応してくれないの?
こんなに、命が危ないって言うのに。
「ボスの命令だから」
抑揚のない声が、震える私の心に染み渡る。