第20章 特殊能力5
小学生の頃。
俺は蒼汰のことを知った。
そして姉ちゃんに言った。
"蒼汰にはもう二度と会わないでほしい"
姉ちゃんは分かったと言ってくれて。
それから会うことはなかった。
だけど俺は知ってる。
姉ちゃんはそれでも蒼汰が好きだったこと。
届かなかった。
どうして姉ちゃんだけ、なんて思った。
けれど、どうしても悔しかった。
俺が蒼汰だったらきっと意地でもお別れなんかしないのに。
諦めなければいけない。
この気持ちは、ちゃんと消さなきゃいけない。
どうしたら消えるのかな。
俺には、分からないよ....