第16章 特殊能力1
「もー、こんな重い買い物なのに、れっちゃんも渚も手伝わないなんてひどいよ!」
「私、世話人だし。このぐらいしないとね」
瑠都くんは優しい。
女の子なのに...と、重い方の袋を持ってくれる。
瑠都くんだって、教科書類がたくさん入ったカバンからってるのに。
「でも瑠都くんありがとう。」
「こんなの、男として当たり前!今度からは僕も手伝うから!いいでしょ?」
ニコッと微笑みながら覗き込んでくる。
その笑みに少し照れる。
「うん、暇なときでいいから」
「任せて!」
ガッツポーズする瑠都くんに、昔の璃玖斗を思い出した。
それでか、なんだか微笑ましくなった。