第2章 episode1
「あれ、楓希。あんたここで、なにしてんの」
「お姉ちゃん!!?」
へ?なにごと?みたいな顔をする。
「お姉ちゃんのせいで、私、お姉ちゃんに間違わられて中に入れなくなったのよ!!」
胸ぐらを掴み、揺する。
お姉ちゃんの顔がぐらんぐらん揺れる。
「ごめん、まさかあんたがコンサート来るなんて思わなくて」
「サイテー」
余裕かまして遅刻なんてしてるんじゃないよ!
昔からこうしてお姉ちゃんと間違わられて、酷い目にあってきた。
「妹さんだなんて....、すいませんでした!!」
引っ張った彼が深く頭を下げた。