第2章 episode1
「なになに〜、ファンの子が紛れ込んじゃった感じ〜」
フラフラっと現れたのは来楢諒夜さん。
あの、チャラ男だ。
「紛れたんじゃなくて、連れて来ちゃったんだよバーカ」
「もお、そんな怒るなって。あれ、夏希ちゃんやっと来たの?社長が怒ってたよーん」
諒夜さんはあっけらかんと言い、椅子へどかっと腰掛けた。
「やばい!楓希!ちょっと待っててね!」
お姉ちゃん。
しっかりしてよ...
取り残された私は、立ち尽くす。
「楓希ちゃん、だっけ?座って」
こくっと頷き、ソファーに座った。
ここには諒夜さんと漣音さんしか居ない。