第2章 episode1
連れてこられたのは楽屋。
「ちょ、ちょっといきなりなんなんですか...」
夏希。
姉の名前と一致していることなど、私はその時は思わず息を切らしながら彼に怒鳴る。
「なにって、君ね...」
「言っておきますが、私の名前は七嶺楓希です!!」
そう言い返すと、彼はあからさまにしまった!という顔をした。
「ごめんなさい、遅れましたー!!」
聞き覚えのある声と共に、『ただいまを持ちまして、入場は出来なくなりました』
そんなアナウンスが鳴った。
絶望的になったのは、言うまでもない。