第2章 episode1
が、今日は多かった。
行列のうえ、スタッフの作業が遅い遅い。
「あのスタッフは新人ね」
留美ちゃんがそう呟いた。
確かに胸にあるネームプレートには新人というシールが貼られていた。
「ちょっと夏希ちゃん!!ここでのんきになに並んでんの!!!」
煌びやかな衣装を着た男性が私の腕を引っ張る。
「え?」
別にのんきに並んでませんけど!
「もう!!遅刻しといてのんびりしないで!ほら行くよ!!」
もうすぐ15分前だというのに、留美ちゃんにチケット預けたままその男性に引っ張られて行った。