虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】
第3章 私は自由
帰る場所を失くしたのは10歳の頃。
時を経て、アリスは20歳になった。
ここはシャボンディ諸島。
そしてヒューマンショップ。
鎖で繋がれた手と首。
そして足。
光の無い目でそれを見る。
『・・・無駄、なのに』
悪魔の実の能力者じゃない。
私は・・・。
私の力は誰がくれたんだろう。
・・・どうだっていいけれど。
力を使えば枷だって外せる。
でもそれをしない。
『もう・・・どうなったって構わない』
殺されようが奴隷として使われようがなんだっていい。
「次はその髪の長い女だ!」
アリスはあれからというもの髪を切っていない。
今では膝裏まで伸びている。
美しいブロンドの髪。
「チッ、天竜人様は来ていないか」
「来ていればきっと高値で売れただろうに・・・」
なんて影で言われている。
別に誰が買ってもいいのに。
「えー、続いてはこちらの商品!!」
「名前はオルブライト・アリス!!金髪の髪が特徴だ!!」
この髪?
嫌いよ。
大嫌いなの。
「5000万!」
「8000万だ!!」
「いや・・・1億だ!!」
1億を切ったところで挙がる手が少なくなった。
「1億1500万でどうだ!」
「こっちは1億3000万払うぞ!!」
「結構な高値だな。」
私を知らない馬鹿で愚かな人間達。
私は買われればどうなるのかしら。
怖いんじゃない。
興味なの。
私を殺してくれるのかな。
「1億4000万以上出せる方はいませんか?」
どうやら決まってしまうよう。
どっかの王国の役人ね。
私を王に献上するんだ。
木槌が打たれようとしたそのとき・・・
「2億だ。」