虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】
第9章 覚醒力
『じゃ、健闘を祈ってて!』
「気ィつけろよ?」
『分かってるわ』
アリスはエースに笑いかけると停泊していた海軍の船に乗り込んだ。
物陰に隠れて海兵が通るのを待った。
服を奪わなければならない。
と、願っている通り、1人だけ通りかかった。
アリスは目の前に立ち塞がった。
「だっ!誰だ貴様・・・」
『悪いけど眠っててくれるかしら?』
鳩尾を殴った。
海兵は呻き声を上げた後、バタンと倒れた。
『じゃ、服はもらうわ』
潜入成功。
アリスは資料室を探ることにした。
だが、場所が分からない。
海兵に聞くしかないのだろうか。
「おい!そこで何してる!」
『ん?』
「貴様!仕事を放棄してる場合か!!」
『え、あ・・・失礼しました』
「さっさと仕事場へ向かえ!」
『はっ!』
敬礼を返すとアリスは走って行った。
危ない!!!
さっさと資料かっさらって逃げよ!
『中将乗ってるんだよねこの船・・・』
だったら中将に頼まれたとか言えばいいか。
アリスはさっきとは違う海兵に話しかけた。
『中将さんに頼まれたんだけど、資料室ってどこ?』
「中将殿に!?案内しよう!」
『どうもです』
アリスはその海兵について行った。
だが、資料室まではそんなに遠くはなかった。
1分もかからなかったと思う。
『ごくろうさまです』
「すぐに中将殿に届けるように」
『はっ』
アリスは静かに部屋に入っていった。
急いで資料を漁る。
片っ端から手をつけて黒ひげの情報だけを見逃さないようにする。
あまりにも多いこの資料の数。
かなり時間がかかりそうだった。
「中将殿!」
「何か用か」
「あ、いえ、さきほど資料をお探しだと聞きましたので何用かと」
「資料~?」
「えぇ」
「はて・・・そんなもの頼んだ覚えはないぞ?」
「でしたら何故・・・」
海兵は資料室へ向かった女海兵を思い出していた。
どこかで見たことのある顔だったような・・・。
「あっ!!!あの女・・・ゴーゴンの覚醒者アリスです!」
「はて・・・?」
「ほら、七武海に勧誘中の!」
「思い出したぞ」
オルブライト・アリスだ。