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虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】

第6章 砂漠の国と


すでに黒ひげの情報をナノハナで入手していたエース。

ルフィたちとはすぐに別れる予定だ。



「あー、俺らもう行くよ」

「えぇー!!もう行っちまうのかよー!!」

「先を急いでるんだ」



エースは懐から何かを取り出した。

白い紙切れのようなもの。

半分くらい千切ってルフィに渡した。



「これが俺とお前を引き合わせる」

「なんだこれ?」

「いらねェか?」

「や、いる」



エースは帽子を被りなおした。

アリスは立ち上がってエースの横に立った。



「弟を宜しく頼む」

『じゃあね』



エースとアリスはストライカーに飛び乗った。

エースは発火してストライカーは動き出す。

だんだんと船が小さくなっていく。



『楽しい弟さんね』

「だろ?」

『もう一人の兄弟君にも会ってみたかったわ』

「・・・サボか」

『あ、ごめん・・・』

「いや、気にしてねェから大丈夫だ」



サボのことを話すエースは、いつも表情が陰る。

何があったかは聞かないようにしよう・・・。

辛い記憶を蘇らせるだけだから。



『次はどこ?』

「新世界の方へ戻る方面だ」

『ふーん』

「お前は行きたいところはないのか?」

『特には・・・』

「そっか」



アリスには戻る場所は無い。

リヴィア王国のあった島、アンバーズ島は現在、廃国となっている。

多分海軍か政府が取り締まっているっだろう。

アンバーズ島には・・・国には戻れない。



「じゃあ適当に寄りながら行くか」

『そうね』



あ、まずい・・・。

考えたら泣きそうになってきた。

戻りたいなんて思うなんて・・・。

どうかしてるよね。

戻れないのに。

アリスは帽子を深く被った。

考えただけで辛い。

自分だけが生き残ってしまったこと。



『私さ・・・』

「ん?」

『生きてていいのかな』

「・・・」

『みんな犠牲になっていったのに、私だけ・・・』

「お前さ、俺と出会いたくなかったってことか?」

『え・・・?』

「お前が言ってるのはそういうことだぜ?」

『そんなこと・・・』

「じゃあいいんだ、生きてて」

『出会えてよかったって思えるから?』

「あぁ」



ああ、あなたはやっぱり優しい。

太陽よりも温かくて、大きな包容力がある。

太陽以上よ・・・。
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