第1章 初夜
「・・・生贄?」
「そうじゃ」
今どきの時代、どこに生贄などを差し出す村があるのか・・・そんな思いがにはあったが、長老の言葉は決してふざけているものではないと悟る。
「・・・それで私にどうしろと?」
「はこの村で唯一巫女の血を引く血族の生き残り・・・
この村を襲う奇怪な現象を止める為にその身をこの村の守り神犬神に捧げてほしいのだ」
「・・犬神・・・あの話は、伝承でしょう?」
「いや、代々この村では異常現象が起こるとそうして犬神に若い娘を生贄として差し出してきたのだ」
「じゃ、じゃあもしかして・・・一昨年行方不明になった加世は・・・?」
「そう生贄の犠牲者じゃ」
「そんな・・・」
「酷な事を言っているのはわかっている・・・が村を守る為耐えてほしい」
「そんなっ・・・そんなこ・・・と・・・」
の後ろから薬を布に含ませたもので口を押える。
長老の指示では巫女の恰好にさせられ、神殿へと棺に入れられ生贄として捧げられたのであった。