第1章 初夜
犬神は自分の身にを隠すとギロリと蛇女を睨みつける
「あら、怖い顔。まさか人間の女を抱くつもりだったんじゃないでしょうね?」
「・・・なんの用だ?」
「あら許嫁が顔見に来ちゃ都合悪いかしら?」
「・・・周りが勝手に決めた事だ。」
「そう?」
蛇女は人間の姿になると裸のまま犬神に擦り寄る
「人間の姿が好みだったの?だからこの196年間抱いてくれなかったのね・・」
そう言いながら犬神にしなだれかかる
「さあ、私もその娘のように悦ばせてちょうだいな」
犬神は蛇女を払いのけるとの着物を整えてやる
「蛇女、もう帰れ」
「あらその女も一緒でも構わないわよ?どうせ生気を吸い取るだけ吸い取って捨てるんでしょう?」
「生気を吸い取る・・・?」
「そぉよぉ、犬神があんたみたいな人間なんか愛すると思ってんの?」
「やめろっ、蛇女」
「あら?図星?
そうよねぇ・・・だってたいして美人でもないし・・・躰も・・・ねぇ?」
蛇女はに自分の躰を見せつける
「の事は抱いてない」
「あら、それならなおさら・・私が・・・」
蛇女は犬神に体を押し付ける
「あなたは無理しなくていいのよぉ、だって人間だもの」
「・・・わかった・・いくぞ」
犬神は蛇女を連れて部屋を出て行く。
「犬神、さま・・・」
の声に犬神が立ち止まる
「犬神様ぁ、あんなのほっておいて早く楽しみましょうぉ」
「先に私の部屋に行ってろ」
「うふふ...わかりました」
蛇女は勝ち誇ったように部屋を出て行く
犬神はの元へ戻ると人間の姿になる
「・・・私を信じて待っていてくれないか?」
「・・私には・・・犬神様を引き留める権利などありません・・」
「そうか・・?」
犬神は吸い付くようにの唇を舐めとる
「言わねば伝わる事もある・・・な・・」
「犬神様・・・?」
「俺はお前を愛している・・・お前が俺を愛していなくても構わない・・だけど愛する事は許してくれないか?」
「犬神さま・・・」
「せめてここにいる間だけでもお前を慈しみ愛すことを許してほしい・・・」
犬神はに深い深いキスをする
お互いの舌が絡み合う
「はっ・・・ん、・・・ぁ・・」