第10章 半径
部屋中を甘い空気が流れる。
彼はもう一度私にキスをした。
彼のキスは深く、甘く、酔いがまわる。
お酒が入っているせいかとても彼の表情が色っぽい。
ドキドキが止まらない……
『緊張してんの…?』
「そういうわけじゃ……」
私の体はひょいと簡単に持ち上げられ、ベッドの上に乗せられた。
大人の時間
たった2年前の高校生だった私たちじゃない。
『咲羅……』
今日は始めて彼に名前で呼ばれた日。
『好きだよ……』
激しくなるキスに心臓の鼓動も激しくなる。
「私も…好き。」
2人の吐息が部屋に響く。
私は今すごく幸せ。
『ごめん、最後までやっていい……?』
私は無言で頷く。
少し怖いなと思う、でもそれより篠田のことが好きだから。