第10章 半径
時は2年前、高校3年の後半。
友「えええええっ!?咲羅、篠田くんと進路一緒なの!?」
「そうみたい、ま、学科違うしさ」
友達のその反応もわからなくはない。私だって彼と同じ学校なんてイヤだ。
友「2年間、気を付けなね!彼、なにするかわからないよ?」
「わかってるって、そんな関わらないから大丈夫だよ。」
友「私は君のことが心配だよ…」
私と彼の進路は専門学校。2年間なんてあっという間だ。関わらないようにしよう。
1週間後くらいに彼からLINEが来た。
『入学式スーツで行きます?』
「ああ、私はスーツで行くつもり」
『そっか、了解です。』
「はーい」
それで終わるつもりだった。
それなのに
(終わらない……)
でも心なしか少し楽しいと思ってしまっていた。
なんでだろう、話がはずむ。
好きなバンド、休日の過ごし方、感性、彼と似ている気がした。
知らずのうちに私は彼のことが知りたくなっていたのかもしれない。