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恋愛物語超短編集

第9章 通学電車






「私も、気になってたよ。ずっと。」

とか勇気を出して言ってみる。




すると彼は驚いたように目を開いて私を見たと思ったらふっと力の抜けた笑みを浮かべる。





『じゃあ、いい、よな?』


私の手と彼の手は繋がった。








でもね、お互いまだなにも知らないの。
名前も学校も。


他人から始まる恋もあるって、今日わかったよ。






これから少しずつお互いのこと知っていけばいいよね。



いっそう強く手を握り返した。
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