第1章 塩キャラメルとミルクキャラメル
塩キャラメルとミルクキャラメル1
「♪♫〜♩♩♬〜…よっと」
鼻歌を唄いながらスーパーのお菓子コーナーの列へと、ピョンっと飛んで入る。
ガム、アメ、チョコレート、シゲ○ックス、ときて、やっと私のお目当てのキャラメルの棚へと到着した。
…が、
「嘘…
売り切れっ?」
私の視線の先には、『クリーミーだモゥ〜』と言っている牛さんが描かれた空き箱。
嘘でしょ…ミルクキャラメル売り切れとか・・・
楽しみにしてたのにぃ〜…
ガックリと肩を落としたまま、空き箱の隣の、塩キャラメルへと手を伸ばす。
…が、
私の手は空を切る。
「え…?」
中に浮いた塩キャラメルを目で追って、そのまま視線を滑らせて、塩キャラメルを持っている人の顔を見る。
「あっ…!」
私の大きな声に、真ん中分けの気だるそうなその人が、少し小首を傾げる。
この人…いつもこれ(塩キャラメル)買ってる人だ…
じゃあ、しょうがないか…
更に肩を落としてUターンする。
明日は我慢しよ…
「ねぇ、ちょっと待って。」
トボトボと出口へと向かう私を、真ん中分けの気だるそうな人が呼び止める。
「はい…?」
脱力気味に問いただす。
「これ、欲しかったんでしょ。いいの?」
欲しかったけど……
「ミルクキャラメルが無かったから仕方なくそれにしようとしただけです。貴方はソレが目的でしょう?」
「ふーん。まぁ、イイならいいけど…。」
いいよ、だから帰らせてくれ、私はもう何もする気がない…
あぁ〜あ、帰ってアイスでも食べよ。
「ねぇ、ちょっと待ってて…」
「…え?」