第6章 木吉視点
まだ、心を許されていない。
そう理解すれば、心に染みが生まれる。
だから好代が俺が無理だと言った時、残念そうにしたのを知らない。
まだ距離が縮まっていないだけ。
これから友達として仲を深めていけばいいさ。
キセキに気を使うような事もせずに、本心を語ってくれるような間柄になろう。
そうしたら、また告白すればいい。
可哀想な好代。
もう中学も卒業の時期なんだから、気を使わなくたっていいのに。
友達というのは、好代もまんざらではないようで、その後も俺と話している。
はじまったばかりだ。
俺より先に退院する好代は、どこの高校に進むとも言っていなかったけれど、受験には間に合わなかっただろうし今年は行かないのかもしれない。
高校ではバスケに、キセキに関わらないですむといいな。
俺のでる試合にも呼ばないほうがいいかもしれない。
応援に来てくれたら、この上なく嬉しいけれど。