第3章 非生産的な生活と私の過去
「好代、なに考えてんだ?」
「別に」
ちょっとだけ、元の世界のことを思い出していただけ。
屋上でただ、のんびりと過ごす。
横には青峰がいる。
今日は、穏やかに過ごしていた。
暴力を期待して青峰と一緒にいたが、コイツは意外と手を上げることは無かった。
煽るよりは、やり場の無い気持ちをぶつける様にした方が手をあげる。
でも殴った後に、苦しそうな顔をするものだから、罪悪感が沸いた。
たしか漫画では部活に出ろといった上級生に蹴りを入れていた気がしたが、そこまで理不尽な事はまだされていない。
意外と繊細なタイプなのかな。
正直、灰崎のように暴力をなんとも思わない相手がいい。
だけれど、この青峰がちょっと可哀想に思えてそのままだらだらと関係を続けていた。
別に嫌いではない。
だから一緒にいるのかもしれない。
青峰の乱雑な手は好きだと思う。
興奮すると、力加減ができない青峰は、私の身体を痛めつけてくる。
こういうのも悪くは無いって思う。
それだからこそ、3年まで続いていた。
最後の全中が始まると、青峰は苛立ちをぶつけるように酷くされることもあった。
なんて幸せなのって感じだった。
私だけは。
他の人はそうでもなかった。
むしろ苦しんでいた。
ここは漫画の世界とどこかで軽んじていたけれど、ここにいる人たちにも心があるのだ。
青峰と、遊んだ後1人で帰っている途中で、声を掛けられた。
うん。
この時足を止めなければ良かったと今なら思う。
その日、私はありったけの悪意を受けた。