第3章 非生産的な生活と私の過去

灰崎と別れた私は失望感でいっぱいだった。
誰だよ、あれ。

二度と傷付けないとか意味不明だ。

私にとっては。

殴ってくれない灰崎は好みではないし。
そう、灰崎は理不尽な暴力をしてくるが、それ以外は意外と穏やかな男だった。
初めてのとき以外は痛くされたことがない。
つまらないことに。

女に雑な扱いをする男だったから付き合いたいと思ったのに。
思いやりを覚えた灰崎なら普通の子と付き合った方がいいだろうって思った。

だから速攻で別れを切り出した。

私とは合わないけど、他の子にはいい男になったって事だ。
普通の子は守ってあげるてか言われたら嬉しいはずだし。
その事を伝えると、灰崎はちょっと悲しそうな顔を見せた。

別れを告げる時、キメ顔をしたら、口の端が切れてたのが痛んでにやけてしまった。

灰崎が真っ当な男になったようだったので、バスケ部復帰をしたらどうかと勧めておいた。
キセキに準じる実力を持つ灰崎が残ったら将来的に何かいい方向に向くかもしれないと思って。

黒子とは今年も委員会が同じで、かつ黒子は私の外見に偏見がないせいか、いい友達である。
可哀想な目にあって欲しくないという気持ちがあった。
まあ、勧めただけだから本当に戻るかはわかんないけど。

うーん、灰崎が真人間になっちゃったら、次は誰だ？

今のところ、候補として上がっているのは霧崎の人だ。
あのラフプレーしてた所なら、女に手を上げるくらい分けないかもしれない。

でも花宮真は駄目だろうな。

指示役だし、どちらかと言えば言葉で責めてくるタイプだと見た。
個人的にあの古橋って人がいいんじゃないかと思っている。
能面みたいな顔して、容赦なかったし。
私の事も弄って欲しい。

でも今私は中学2年。
となると彼らは中学3年。

どこの学校にいるのか分からないことの状態では手が出せない。

きっと情報通である桃井さつきちゃんは知っているんだろうが、あいにく私とは何も接点が無いため聞くのは変だし。

とりあえず、高校は霧崎に行こう。


でも今はどうしようか。

ちょっと柄の悪そうな連中のいる場所に特攻をしかけてみるとか。
でも出来れば殴られる相手は決まった人がいい。
そして顔がいい人がいい。

私は面食いなのだ。

あわよくば彼氏が出来たらいいんだけど。