第2章 灰崎視点
俺は誠心誠意、好代に謝った。
これまでにした事を全て。
そして、二度と傷付けない。
これからは守っていくと誓った。
俺の本心からの言葉だった。
そうしたら、好代は言うんだ。
「祥吾君はそのままが1番素敵だと思います。でも、そう思ってくれて嬉しいです」
身体を雷に打たれる思いがした。
どうしようもない、俺を本当に好代は受け入れてくれていたんだと知った。
だけど、そんな俺のままじゃ好代を愛する資格なんてない。
素直な気持ちを伝えた。
そうしたら、
好代はいつもの澄ました顔をちょっとだけ、緩めて俺に別れを告げた。
「そういう言葉は他の女の子に言ってあげてください。私には必要ない言葉です。その気持ちであればバスケを続けたらどうですか?きっと今までよりも上手くいきますよ」
その顔があまりに綺麗だったから、俺は見とれた。
好代は俺を真っ当にするために居てくれたのか。
自分の役目は終えた、そんな感じだった。
女の事で泣いたのは初めてだ。
好代、好代。
他の女なんていない。
お前しかいないのに。
…………でも、バスケか。
何も、俺にはわからなかった。
好代と別れた次の日、虹村サンと赤司に土下座してバスケ部に復帰した。