第1章 まふまふさんとファーストコンタクト
天月の部屋に向かう途中、軽かったまふまふの足取りが徐々に重くなり、うっすらと冷や汗もかきはじめた。
ま(…よく考えたけど天月くん、俺人見知りなんだけどーー!!!!)
天「…?どこからか助けを求められたような…気のせいかな」
天月の部屋のドアをよく見ると、たしかに人影が…。
ま「天月くんの妹か…てか、呼ぶの僕で大丈夫なのかな…」
そんなことを思いながら(言いながら)ゆっくりと扉を開ける。
その時、ビクッと体がはねた。
…お互いに。
『だ、誰…ですか…?』
ま「えええええええとああああ、天月くん、あ、お兄さんの友達ですけどまふまふですけどカービィやろうとしてて今あのはいそれで一緒にやろうって天月くんが言っててそれで僕が呼びに来てあの」
ま(日本語すごいおかしいんですけどってかテンパりすぎで自分でも何言ってるかわからないんですけど!!!)
呼びに来た人はおかしい日本語を喋りながら涙目になり、呼ばれた人はひたすらきょとんとしている。
まふまふはとうとう言葉が見つからず、黙ってしまった。
しばらくの沈黙。
ま(あぁもう嫌だこのコミュニケーション障害野郎!!)
と、思っていても何も喋れないのがコミュ障である。
沈黙を破ったのはコミュ障。…ではないほうだった。
『えと、つまり、お兄ちゃんとカービィやろうとしてて、それに私を誘いに来たということですか…?』
ま「っ!そうっ!!それっ!!!」
ドンピシャで自分の言いたかったことを、なおかつとてもわかりやすく言ってのけた目の前の人物を神にも思えたまふまふは、ぱっと顔を上げ、指をさしながら肯定することしかできなかった。
『っふふ、いいですよ!カービィ、好きなので。でも、お兄ちゃんカービィ持ってましたっけ?』
ま「あ、僕持ってきたの!」
『あぁ〜、なるほどです』
ぽわわんと、黄色のよく似合う雰囲気。
わりと速く緊張の溶けたまふまふは、天月の妹を連れ、早速リビングに向かった。