第8章 京谷 賢太郎の妹(ハイキュー!!)
青葉城西高校の誰しもが自分の目を疑った。
なんと菜々子と賢太郎が接戦を繰り広げているのである。
「くっそがぁ!!
てめぇ足が遅かっただろーが!!」
「おあいにくさま!!
これでも長距離は得意なんだから!!」
二人はそう言い合いをしながら次々と前の人たちを抜かして行く。
すると二人の前に岩泉の後ろ姿が現れた。
「「岩泉さん!!」」
余談だが、菜々子は嬉しそうな表情で賢太郎は怨みつらみをこめたような表情だった。
「今日こそあんたに勝つ!!」
「やれるものならやってみな」
賢太郎の言葉に挑戦的な笑みを浮かべて岩泉は言った。
「きゃー!!
岩泉さんカッコいい!!
一生ついて行きますー!!」
菜々子が手で赤くなった顔を押さえながら走る。
「お………おう………」
菜々子の言葉にどう返事をしていいのかわからず戸惑う岩泉。
「そーゆーのヤメロ!
バカ菜々子!!」
「はぁ!?
お兄ちゃんにそーゆーこと言われる筋合いないと思うんだけど!!」
ギャーギャーと言い合う賢太郎と菜々子。
「俺は先に行くからなー」
喧嘩している2人を残し、岩泉はゴールを目指し走る。
「やっべ!
菜々子と喧嘩している場合じゃなかった!」
そう言って賢太郎も走るスピードをあげる。
「負けてたまるかー!!」
菜々子もスピードあげて賢太郎を抜かそうと走る。
追い付いてきた菜々子に賢太郎は驚きさらにスピードをあげる。
菜々子もさらにスピードをあげる。
「おいお前ら配分考えねぇとバテるぞ」
後のことを考えてなさそうな2人を見かねた岩泉が声をかけた。
「いっ岩泉さんに心配されたっ……!!」
よほど嬉しかったのか、目をキラキラ輝かせながら岩泉を見つめ、ニヤニヤとにやける菜々子。