第2章 黒尾彼女
ガラガラっ、
夜久「お前、絶対忘れてただろ〜。」
少し怒った顔でここに座れと、隣をポンポンとたたく夜久。
『ぎ、ギリギリセーフ...っ』
夜久「まぁなっ。次はちゃんと覚えとけよな?」
『う、うっす!』
夜久「ほら、早く書く準備しねぇと...って、どーした?」
夜久がの手元に視線を下ろす。
そこには...
半分に折れ曲がった布の筆箱。
それだけの表現なら別に何の違和感も無いのかも。
でも普通によく良く考えたら
ペンや定規...なんやかんや...
入っているわけで。
どう見てもその布の筆箱はペッタンコではない。
中に何か入っている。
となると...
『しまった...。』
夜久「...お前...。そんな、片手の握力でペンたちを握りつぶしながら走ってきたのか...」
『あ、いや、なわけないじゃないですか。やめてくださいよ。』
夜久「それ、中身なにがはいってん...」
が筆箱のジッパーを下ろしているのを覗いて
言葉が詰まる。