第1章 琥珀色の月【三日月 宗近】
三日月の指をそっとくわえたまま顔を見上げる。
「ははっ、にはかなわんな。そんな顔をされたらもう止まれんぞ?それでもよいのか?」
その言葉に、私はコクンとうなずく。
「あい、わかった。愛する者のお望みとあらば叶えぬわけにはいかんなぁ・・・私の望みでもあるのだけどな」
そう言って、私の口から指をスッと引き抜くと
「悪い夢を見てしまうなら、眠らなければいいだけの事だ。心配するな、今日からは悪い夢など見る暇はないぞ」
と笑顔で私に言った。
それでもいい。
ううん、それでいいのだ。
三日月のその言葉に私は「うん、お願いします」とだけ答えた。
「・・・愛しておるぞ。今もそしてこれからもずっと・・・」
そう言って、私の唇に触れるだけのキスをした。
「あい、わかった」
私が真似をしてそう言うと
「この三日月の真似をするとは、いい度胸だのう。今にそんな余裕などなくなるぞ。よいな?」
触れるだけのキスは、舌を絡め深いキスへと変わっていく。
三日月の唇が、首筋から鎖骨へと下りてゆく。
私は、これから起こるであろうことにドキドキしながらもとても満たされた気持ちでいた。
愛する人と一つになる。
これほど愛おしいと思うことはない。
彼、三日月宗近の全てを、この体で感じよう。
「あっ・・」
甘い声が漏れる。
「、そなたの可愛い声をたくさん聴かせてくれ・・・」
こうして、私たちの甘い甘い時間が過ぎていくのだった・・・。
窓の外には、愛している彼の瞳の中にある月と同じくらい綺麗な三日月。
琥珀色の月が、私達をそっと照らしていた。
END