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暗殺教室(イリーナ×烏間)

第1章 あの発言。


「さっきぶつかっただけよ。」


イリーナが髪をかきあげながらため息混じりに答える。


「にしては物騒なものを出そうとしてたじゃないか。」


警戒した烏間は険しい顔で男を睨みつける。


「少しビビらせたらどこかに行くと思っ」


自分のとった行動の浅はかさに気づいたイリーナは烏間の腕にしがみつき、

今すぐにでも噛み付きに行きそうな烏間の行動を封じにかかった時だった。


「んだよ。男いんなら色仕掛けしてくんじゃねーよ。ハッ!ただのビッチじゃねーか。」


烏間の腕への締め付けが一瞬強くなる。


「イリ」


イリーナは烏間の腕から離れ、男の元へ歩み寄る。


「ビじゃなくてヴィ。そんなことも知らないの?」


いつもと同じ毅然とした態度だ。


「このクソビッチが!」


イリーナを殴ろうと男の振りかぶった。


「イリーナ、いい加減にしろ。」


右手で男の腕を捻り揚げ、左手でイリーナを抱き寄せた。


「んな!?」


驚いたイリーナが烏間を見るため顔をあげた。


烏間はイリーナを見もせず男の腕を捻りながら続ける。


「俺の元で働けと言ったがこういう事をしろという意味で言ったんじゃない。それに」


烏間は男を地面に向かって突き放し見下すように見た。


「俺は自分の婚約者くらい守れる力量はある。」


無表情で、ぶっきらぼうにイリーナを真剣に見つめた。


「なっ!?婚約だなんて聞いてないわよ!」


烏間は眉間にシワを寄せた後、伸びた男の横へ座る。


危険物を持っていないかポケットの中をチェックをしながらイリーナを見ずに言う。


「嫌なら別にそれでいい。」


イリーナは思わずはっとした様な顔をした。


烏間は男を引きずってホテルの壁にもたれさせた。


「この分じゃ、しばらくは起きないな。力を入れすぎた。」


烏間は気にしていない様子で地面につけた手のホコリを払う。


「嫌とは...言ってないわ。」


折れたヒールを片手にイリーナが下を向きながら烏丸のジャケットの裾をつかんだ。
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