第2章 領土めぐり
スペードの塔の中に入ろうとすると
「まってください!アリス!」
「ペーター!」
いつの間にかペーターが近づいて来ている
「あの魔女…スノウの所に行くんですよね?スペードの塔は迷いやすいですから僕も一緒に行きます」
ペーターはそう言うと案内を始める
「ねえ、ペーター…気持ちは嬉しいけど…」
「お願いです…案内させてください」
振り向きもせずにそう言われてアリスは黙った
暫くして、とある部屋の前に着くとペーターは銃を構えて扉を開く
「何、銃を構えているのよ!ペーター!」
「貴方が毎度毎度…魔法薬と称してたまに危険な薬品を作っているからですよ」
「危険って…あれはちょーーーーーーっと失敗しただけでしょ?ナイトメアにも薬を処方してるし大丈夫よ」
薬瓶を片手にもってもう片方の手には杖を構えている少女…スノウはペーターと仲良さそう(?)に話している
白い兎耳をはやして…
…ん?兎耳…?
あの…スノウの頭に兎耳が生えている
そういえば写真では帽子を被っていて見えていなかった
「ん?貴方…もしかして余所者さん?」
「えっええ、アリス=リデルって言うの」
「アリス…そっか時が廻っているものね…私はスノウ=ドリームローズよ」
スノウは一瞬考えるとアリスに自己紹介をしてくる
「で、スノウって白い兎耳が生えてるけどペーターの親戚なの?」
さっきから気になっている事を聞いてみる
「ええ、役割上認めたくはないですが…」
ペーターはそう言うと帰ってしまった
「やっぱり長居したくないのかなペーターは…」
スノウが悲しそうにつぶやくと
「スノウ?お客さんが来てるの?」
何か花を抱えた女性が部屋に入ってくる
「フラワー!丁度いいところに!…アリス、この人はフラワーと言って喋ったり攻撃してくれたりする花を無意識に育ててしまう情報屋で私の仕事も手伝ってくれてるの!」
フラワーと言う女性はアリスの方を向くと
「宜しく」
「フラワー、アリスは余所者だから温室の花たちにも彼女を殺さない様に言い聞かせてね」
「……分かった、アリス以外のスノウや他の役持ち達に手榴弾等の攻撃するように伝えとく」
なんか物騒な言葉が聞こえた気がするが、とりあえずは放っておこう