第4章 スペードの塔の魔法薬
夢に出て来た女の子が何となくスノウに似ていると思ったアリスはスペードの塔に来ていた
「あれ?アリス…」
歩くサボテンと手を繋ぎながら歩いてくるフラワーと遭遇した
(……ん?サボテン…?)
普通、サボテンは歩かないハズだ
しかも手を繋いでいる
「……?」
「アリス?どうかした?」
フラワーの隣に居るサボテンも首を傾げている
「…うっうん、何でもない」
この世界に来て慣れたと思っていたけれど
(なんて世界なの…)
「…?アリス、スノウを探してるの?」
「えっええ…」
「……ついて来て」
フラワーはそれだけ言うと階段をのぼり始めた
暫くすると無数の魔方陣が張り巡らされた部屋にたどり着く
真ん中でスノウは考え事をしている
その近くには小さい水龍もふよふよと浮いていた
「うーん…次の催し物までに完成させたいんだけどな」
「スノウは詰めが甘いんでしゅ…」
水龍・アクアはそう言いながらスノウの周りをくるくると回り始める
「もうちょっと滑らかに動いてもらうには…」
「スノウ?お客さんだよ」
スノウは考え込んでいるのか…反応がない
「スノウ?」
…
…
…
「…ふう、貴方がその気なら…サボちゃん」
フラワーはそう言うとサボちゃん(?)がスノウに体当たりする
「わっわわわ…!!…いっったい!!何するのフラワー!!」
(あのサボテン…サボちゃんって言うのか…)
「スノウがお客さんが来たのに無視するから…あとサボちゃんの攻撃の練習に使えるかと…」
「私を実験台にするな!!」
まったく…と言いながらスノウはテーブルの上にあるチェスを見はじめた
「チェス?」
「今回の催し物で使うもののサンプルよ」
催し物の内容はチェスなのか…
「チェスが催し物?」
「チェスって言っても普通のチェスというわけでは無いわね…」
スノウはそう言うと目の前に身長より少し高い大きさのチェスセットが現れる
「催し物の時はこのチェスセットを使うんだ」
…
…
…