第7章 それからと彼女
次の日、教室に入るとざわついていた
なぜなら、彼女は長かった髪をバッサリと切っていた
前は目の少し上、後ろは肩ぐらい
その姿を見た時、ふと思った
どこかで見覚えがある
男子は少し頰を染めて彼女を見ており
女子は驚きを隠せないようだ
「澪、おはよ」
多少、驚きはしたがすぐに彼女だとわかった俺はいつも通りに声をかけた
そして、既視感があるのはやはり当たり前だった
あの時の写真、名前もわからなかったあの子は彼女なんだって
『おはよ』
この笑顔を見て確信したから
彼女が声を発したことにより、教室内はより騒々しいものになる
女子は“あの子話せたの?”とか“あんな子いたっけ?”とか
男子にいたっては、聞こえてきた会話がイラっときたからスルー
俺が澪をかわいいって思うのはいいけど、今まで全然目もくれてなかったやつが思ってるのは無性に腹がたつ
本当に澪の視界に入らないでほしいとかちょっと思ってる
俺、結構ヤバいヤツじゃん…